Modern English metaphrase of THE SEVEN SAGES OF ROME (MIDLAND VERSION)
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[参照] ミッドランドバージョン対訳の前に

O

1985年 卒論ローマ七賢物語(サウサーンバージョン)より

橋 泉

彼は婦人の顔を凝視した。
女が悲しげな顔つきをしたので騎士は、貴女はいい人です。
こちらの死体は暖かくないのですからと言った。
「貴女が死者を弔っているのは良くも悪くもないかも知れません。
自ら慰め貴方の心を奮い起こしなさい。
"Swich mourning þan wil þe smerte. (Such mourning then will thee smart.)
世を避けてかように籠ってしまうと貴女は悲嘆にくれて
"Of þis mourning þou hast unriӡt, (Of this mourning you have unright,)
明けない喪が貴方の身を滅ぼしてしまうでしょう。
貴女は家柄の良い他のナイトを愛したらいいでしょう。
その方に癒されるのです。」
彼女は言った。「ああ、さてもさても。」
「私の主人は大変思いやりがあって大層気高い人だったので
他の人を真に愛する気はありません。」
"Ne hadde he seten þer but a while" (Not a long while had he sat there but a while)
長い間ではなくそこにしばらく座っていたのだが、
彼が不安に思ったのは、斯かる程に誰かが彼を欺くのではないかという事だった。
彼は彼の馬を駆りたてて絞首台に行くと
"And fond þat a þef was istole." (And found that a thief was stolen.)
一人の盗賊が盗まれたことに気づいた。
その時、嗚呼災いなるかな、本当に、
彼は自らの封土を失いもう立身出世にありつくことはない。
"But he miӡte finde þe þridde, (But he might find the third place,)
三番目に吊るされた者を彼が見つける他には。
"Þe þef þat heng þe twaie amidde. (The thief that hang the two amid.)
そのいなくなった泥棒は二人の中に首をつっていた。
B版:"That was hangid in þe myddes right." (That was hanged in the midst right.)
絞首刑になった罪人のうちの一人は真ん中に吊るされていた。(in the midst right は中央右ではない。)
新約聖書と比較

『新約聖書 英和対象 日本聖書教会 1948年 ( 昭和23年 8月25日 印刷 昭和23年 8月31日 発行)








ローマの七賢物語:第12物語を語っているのがイエス師なので、聖書のイエスキリスト磔刑シーンと
第12物語の絞首刑シーンを共通単語を基に比較したところイエス師の第12物語は、形式的にまた
聖ヨハネにかけてという台詞にもある通りヨハネによる福音書の記述に酷似していることがわかった。
しかし盗作ではない。

以下本文続き
"He [þouӡt] þat wimmen couþe red" (He thought that women show counsel.)
一夜番のナイトは女性とは知恵を働かせなんとかしてくれるものだと思った。
"To help men at her ned" (To help men at her need.)
女子を必要としている窮している男子を助けるために。
"ӡhe ne was nowt fer, but somdel neӡ" (She was not far, but some near,)
彼女は遠くでなく実に近くに居た。{中期英語スペル ӡ から始まり ӡ で終わる not, but構文}
"That was of rede very slye." (That was of advice very sly.)
それこそあまりにも悪賢いアドバイスじゃないか。
"And went ayenne to that lady," (And went to that lady,)
そしてまた彼はあの婦人の家に行くのだった。
"He telde hire þe sorewe þat he dreӡ," (He told her the sorrow that he suffer,)
彼は遭遇している難儀について彼女に話した。
"And bisoughte hire of god conseiling" (And besought her of good counseling.)
それから彼女の良い助言を仰いだ。
"For þat he was in gret mourning." ( For that he was in great mourning.)
何故なら彼自身がどうにもこうにもゆかぬ悲しみにあったのだから。
"ӡhe said, sire, ich wille helpen þe ," (She said, sir, I will help you,)
彼女は言った。「私は十分貴方のお力になってあげます。
"If ӡou wylt my lemmma be." (If you will my leman be.)
もし貴方が私の恋人になってくださるのなら。」
"Ys, lady, he sayde, precyous;" (Yes, lady, he said , My precious ;)
はい、夫人よ、私の大事な人よ、
"If ӡou me helpe, j wylle the spouse." (If you will me help, I will you spouse.)
貴方が危難を救ってくれた暁には私は貴方と結婚するでしょう。」