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2023 翻訳中です。notes1


原書 THE SEVEN SAGES OF ROME (MIDLAND VERSION)

ローマ七賢物語 (ミッドランドバージョン) オックスフォード大学出版 2005

原文の解釈ノート

 このnotesは、修正箇所と難解語あるいは珍しい語やフレーズを議論することはもちろんのこと D版と他の中期英語写本との関係について詳細な注釈を提供します。 その注釈は中世英文学の広い文脈に論及する一方、 Campbell ,Seven Sages, Chauvin ,書誌、Runte, Wikely, and Farrell ,Seven Sages によってすでに網羅されている分野、原典あるいは類似物の包括的な議論は提供していません。 このノートにおいての原典と類似物論議は研究者達がいろいろ書き著わした学術論文から情報を 引き出します。A版,Ar版,B版,E版, そしてF版からの引用文はBrunner編集本 (ブルンナー版)から引用されます。原文の行番号は、 E,B,Ar,F,写本に対して個々の詩行に番号をふってある2740行以降からの引用を除いてブルンナーの原文の番号付けを典拠としています。 古フランス語散文バージョンA からの引用はパリからの編集;国立図書館2137 CRALによって出版されたエディションからです。 きわめて多い写本にともない単一エディションはまだありません。 このため古フランス語バージョンAに関する 詳細はこの国立図書館 2137 の写本にのみ 基づいていることに留意しなければなりません。 Hans R.Runte によるオンライン版も現在準備中です。

ABCDEF...HI.etc.バージョン名については略字項目参照

ローマ七賢物語始まり部分の長い詩行〜

1  Rome: ★Constantinople コンスタンチノーブル 古フランス語バージョンK,D の冒頭部分(Campbell, Seven Sages P149. note to 17);
★Sicily シシリー the Dolpathos (ドロパトス物語:  ストーリーが違うバージョン,現存するラテン語散文 ☆the Latin prose of Johannes de ALta Silva(12世紀後半)及び 古フランス語韻文バージョン ☆the Old Franch verse version of Herbert (13世紀末頃ラテン語から訳された) (Campbell Seven Sages P.xix)

  4  Deocclicius:  ★Diocletian (ダィオクレシアン)現在残存しているすべての中英語版本において呼ばれている名前; 古フランス語で書かれた古書では、 ★Pontianus (A,L,S, Hバージョン); ★Vespasian( K); ★Marcomeris, Priamの息子( D)  ★Dolopathos, (the Dolopathos)

6  Helie: D版唯一。  中期英語Yグループ4種類の写本で最初の皇后の名前は、 ★Mylycent (B); ★Dame Milisant (C,R); ★Ilacent(F); フランス原典では彼女に名前はない。 他のバージョンのネーミングは、 ★Eva (the Welsh ウェールズ語); ★Auguste (the Dolopathos ドロパトス(Campbell,Seven Sages, p.149.note to 1.12); ★Carthage王の娘 (古フランス語バージョンD);

8 王子の名前
★名前はない:中期英語D版、古フランス語バージョンA※  ★Florentine : 現存している中期英語Yグループ写本5種(E,B,C,R,F版); ★Diocletian:  As版(中期スコットランド語版), H版(古フランス語版派生); ★Stefans; 殆んどのI版(イタリア語、ラテン語版); ★Lucinius;  the Dolopathus (ドロパトス物語
Campbell博士は王子の名前が Florentine, Florent である"Octavian"(ローマ帝国を樹立 )からの影響力の可能性について推測し また 幾つかの古フランス語写本"Amis and Amiloun",そして Gower(中世イングランドの詩人) の”Tale of Florent" におけるその名前の出現について触れています。

11-14  The Emperour wax and old man........ 皇帝は年が寄りおじいさんになる・・・・・: この血統と継承のテーマはthe Seven Sages (七賢物語)と 非常に多い中英語ロマンス 例:King Horn,キング・ホーン(13世紀半ばの中英語騎士道ロマンス), Havelok,ハベロック (13世紀 中英語ロマンス、アングロノルマン版). Bevis of Hampton,べビスオブハンプトン (推定1300年頃の中英語ロマンス), Reinbrun section of Guy of Warwick, ガイ・オブ・ワーウィック、(10世紀伝説的英国の英雄、13-17 世紀,英仏で人気があった中世ロマンス) 等ばかりでなく "The Book of Sindbad" シンディバード物語の原典西洋本や他の東洋本とも関連します。 ........ (ペルシャ語 ’Parrot Book’鸚鵡本, それをシンディバード物語に織り込みます。) シンディバード物語全て子供のいない王が跡継ぎがいないことで気をもんでいます。 このような著作ではしかしながら継承問題は王子の教育問題に伴われる傾向があります。 後継ぎの成功を確実にするためには先ず王子の賢さが保証されねばなりません。 (one must first ensure he is wise DeepL翻訳ツール訳は『君子危うきに近寄らず』) これは七賢物語において王子のセブンリベラルアーツ教育に保存されます。 (中世における教育の主要学科the seven liberal arts は 文法、論理、修辞、算数、幾何、音楽、天文。 近世以降の大学の一般教養科目教育 ) しかし武勇を教育するたいていの 中世騎士物語の特色をめったに発揮しません。

16  Tha the child ware sette to lore(其の子供を勉強に取りかからせる。) このTha theは、多分原文の前状態(thatte)の語尾省略形を思わせる。 同例1291To do tha the Emperour bade (皇帝が命じたことをするためです。) tha はthe 定冠詞なしでも発生例: 763: Pryulich tha no man see.(誰にも見られないように慎重を期して) 1698: Tha in a fayr heber stood. (その辺りには一本の喬木が立っていて) 2794: Tha hym thout withine a [þ]rowe, (彼が短期間のうちに密かに考えたのは ) 3037: And dweld with hir al tha nyght. (そして夜通し彼女と共に眠りました。) 3429: Tha holpyn to saue hys sone on lyue (彼らは王子を助けて命を救いました。)

28  Bancillas:
33  教育期間: 古フランス語散文バージョンA※や中期英語Yグループ版と違いD版ミッドランドバージョンでは 王子教育を目指して指導にかかる年数の見積もりを7人の師匠 が1人ずつ7, 6, 5, 4, 3 年と減らしながら皇帝に申し出ることによって 競争する賢人たちには言及してない。

参照

44   Into his hert fort reche ; reche はteachingの文脈から  "comprehend, understand" 理解できる、わかるの意味であると思う。 しかし 前置詞 into は、 take in =understand を示唆する代わりとして ”I will teach him to take into his heart all the learning that we seven clerks know." と書き換えられる。 訳すと「私は彼(王子)に我ら七人の学者(聖職者)が知るすべての学術を彼の心 に刻みこむように指導します。」

64    That his("is")bothe good and faire.(優良): 非語源学的な頭文字hの用法はD版に偏在する。 (his や hys は"is"の優先形態) 

"eye"に代わってheeのような語形例もある。
2094 Thare was many a wyppyng hee (There was many a weeping eye. 多くの人々が涙目になっていました。)
2830 The knyght kest hys hee on hyghe, (The knight cast his eyes aloft, 騎士は空中高くに目を向けた)
2877 The knyght kest vpe hys hee (The knight cast up his eyes. 騎士は見上げました)

"ere"に代わってher(e)の語形例
507 Here the thyfe traytour be dede! (Until a liar is dead! 嘘つきが死ぬまでは)
943 And her he ӡede he was adrede. (Ans before he went he was afraid. そして彼が歩いていく前に(行くがよい、々と)彼は恐れました。)

74  Mayster Caton:
中英語Yグループは、Caton と"the Disticha Catonis"(『ラテン語への誘い』西暦3C-4Cのラテン語教科書) の著者と見られているCatoを同一視する。 古フランス語バージョンA※はこのことについてのみ後でCatonの物語「鳥」の序章で言及している。 Catonは英語詩のロマンス”Generides”(ジェネリデス 14世紀末に遡る)にも シリア王の娘セレーヌのcompanion,仲間 として登場する。 2種の中英語版: (1)the couplet version :2行連句バージョン序章でCatonの名が挙がっている。(A Royal Historie of the Excellent Knight Generide,『優秀な騎士ジェネリデスの王室の歴史』フレデリック・ジェイムス・フォーニバル Roxburghe Club (Hertford,ハートフォード1865)P.1
(2)後世のstanzaic version:一定韻律4行以上からなる詩版: 両方ともCatonは七賢人のうちの一人とされている。