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原書 THE SEVEN SAGES OF ROME (MIDLAND VERSION)

ローマ七賢物語 (ミッドランドバージョン) オックスフォード大学出版 2005

原文の解釈ノート

1148-9について D版は甥の本を燃やしてしまってから生じた出来事において病気を治せないという結果となったと指摘する点が ユニークである。 C,R版を除き他のバージョンでこれに迫って来るのは この物語の最後にAncilles師 が 皇帝に甥を殺し彼の本を燃やすことによってもしイポクラスが何か利益を得ていたらと尋ねる場面である。 (皇帝はSOUTHERN VERSOON 1162行〜" Nai, saide þemperour ,moche ne lite. (No, said the Emperor much no little ,ほとんどないと答えた。 E版は"but a little しかし少し。) アンシラス師は"No.... I biseke god omnipotent,...... (I seek god omnipotent, 私は全能の神を求める。 もし殺害すればイポクラスの場合に陥ると説く。) D版は物語を通してbook,本に注目した。 子供(弟子)がどのようにしてと以下我々に述べている。
1054: Hys emy's bokis he vnselde, (His uncle's books he opened, 彼は叔父の本を開いた。)
1107: As taught hym Ypocras booke (As taught him Ypocras book  イポクラス医師の本で教わったように)
  他のバージョンにこの詳細がない。

1151   That couthe wel of medycyne. (Who had mastery of a field of learning in Medicine. 彼は医学分野で学んだことに精通していた。) 参照ページ introductionの第4物語項目で翻訳済みで 重複になるためこのNoteでは略。

1156-63 
D版は年老いた父の庇護者としての王子を強調し古フランス語と似ている:
8行の和訳:貴方にはたった一人の息子しかいない。/ もし貴方が彼を死に追いやれば/ 老いてあなたの骨を強くつかむ時/ 貴方を支えてくれるのはほんのわずかしかいない。/ そして貴方の息子が果敢ならば/ 本当に貴方はそんなに老け込むことはなかった。/ やがて陛下の家臣達は貴方を恐れるだろう。/ 彼を生かしておいてくれと私は忠告しよう。/
古フランス語: 1 filz et celui volez vous destruire pour le dit de votre femme. (1 fils et celui voulez vous détruire pour le dit de votre femme. 一人の息子それも貴方の妻が言ったことのために死に絶える一人の息子)/ vous estes viel home et savez bien que jamais n'en aurez plus enfant.(vous etes vieil homme et savez bien que jamais n'en aurez plus enfant. 貴方はもう年寄りなんだから 子供を授かることは絶対無理とわかっているはずだ。)/ Et se vos aisint le votr destruire, (Et se vos ainsi le votre destruction,そしてそんなわけで貴方の破滅である。/ si vous en avigne il ausint conme il fist ypocras de son neveu.(si vous en ???  il aussi comme il fait ypocras de son neveu. もし彼がイポクラスの甥と同じように振舞えば )  
他の中英語版はこの記述なし。

1168-71
4行の和訳: 宮殿にいた者皆/ 喜んだ。/あらゆる地位や身分の人々は/ 邪悪な王妃から守るor王妃を攻撃する。/
この廷臣達の安楽と皇后の悲しみについての言及はD版に特有である。

D版1172  Scho [ofte] syghyd [sore] amonge, (She sighed repeatedly、彼女は何度もため息をついた。MS版: Scho syghyd and swore amonge, (She sighed and swear again and again, 彼女はため息をつき繰り返し誓った。)
オリジナルは理にかなっているが韻律には欠陥がある。 text原文はこのような理由から修正された訳ではない。 D版571行:  And ofte syked sore amange   (And continually sighed sorrowfully again and again. そしてしきりに悲しそうに何度も何度も嘆息した。) と 皇后が彼女の7夜話のうちの1話1話を物語る前の様子を描写して 編集人は物語の同じようなメランコリックな時のストックフレーズ(陳腐な言回し) をしばしば再生利用する。話題を 次の物語'Gaza'(The treasure: 財宝)の方へ向けていくのだが F版は、フォリオ(2折版)が欠落のために続く物語'Gaza'そのものが 欠いている。それは他のバージョンだと選集第5番目に位置づけられている。

1176-87
12行の和訳のみ: 陛下、彼女は言った。「災い転じて福となす。」/ そしてそれはすべてあなたのためである。/ 貴方は夫でありサーエンペラーである。/ そして帝国全土を征服する。/ 『貴方は積極的に殺しに関与している。DeepL機械日本語』/ もし貴方の学者達に意志があるのならば/ 彼らは彼を皇帝にするだろう。/ その邪悪者は塔に横たわっている。/ そしてもし貴方が彼を私よりも愛しているなら/ また貴方にも降りかかる。/ 接着剤で殺された彼のように。/ 息子に自分の首をはねさせた。/
他のバージョンでの彼女と皇帝のやり取りよりもずっと短い。

皇后の第5物語

1190-1279   Gaza ('The Treasure'  財宝).

1192  Emperour of Rome he was : (彼はローマ皇帝だった。) 他のバージョンでは Octavian (オクタビアン : Augustus:アウグストゥスの皇帝になる前の名)

1194-5
But was about to fylle a toure (But was about to fill a tower  塔を埋め尽くす目標以外に
Ful of gold and ryche tresour. (Full of gold and rich treasure   黄金と高価な財宝で満杯に
Campbell博士の Seven Sages ,p.162 , note to I.1318 を参照。 中英語文学におけることわざにあるオクタビアンの富。

1194a toure: D,C,R版を除き すべてのバージョンでその塔は"Cresent" (クレセント) と呼ばれていた。 (E版:Oroysaunt)

1196  Swylke seuen clerkys hadde hee (Sucu seven scholars had eye  こういう7人の学者達は眼力が鋭い )   C,R 版は2人。

1203  Forto do that he thaym bydeth. (To do that he them command. そのために彼は彼らに命じた。)
[.................] 詩の1行以上抜かしている。 (写本に脱文ないけれども) それ故残った2人の学者のうちもう一方the other of the twoの学者は幸せな生活を送っていたという詩行に突然変化したのだ。 恐らく片一方the clerkの学者についての叙述が含まれていたのだろう。 他のバージョンでは 彼は吝嗇な人物として描かれ皇帝の塔を管理する義務を負うている。

1205  And haddyn both childryn a[nd] wife (そして妻も子供もいた。)
ライト博士は、a を and に修正した。 Jill's D版 & Wright's D版 の比較

J. 1298: And went forth as stille a ston,(そして石のように静かに去って行った。)
W. 1230: A[nd]

J. 2168: He went don a bare vppe a cole, (彼は行き火のついている石炭を担ぎあげた。)
W. 2170: He went do a[nd]

J. 2188: "Ly stille, a be nought adrede. (じっとして、恐れることはない。)
W. 2190: "Ly stille. a[nd]

J. 2376: Thou myght don hyt wylle a fyne (『うまくいくかもしれない。DeepL機械日本語』)
W. 2378: Thou myght don hyt wylle a[nd] fyne

このaはMED (中英語辞書)で and の 弱形として使用が実証されている。

1210-15
6行の和訳: 彼の金が減り始めた時/ 彼は宴会を開けなくなった。/ そこで策略を巡らせた。/ そのために彼は無になった。(滅びることになった。)/ そして恐ろしい出来事が起こった。/

学者達が強盗に入った動機に関するD版ならではの洞察である。

1216-9
4行の和訳: 彼は跡取り息子の一人を加えた。/ 良い子で礼儀正しかった。/ 彼らは塔に行き押し入った。/ そして沢山の財宝を持ち去った。/
強盗の描写は他のバージョンの方が より長く一層精密である。

1218  Thay wente and breken that tour (They went and broke into that tower, 彼らはその塔に押し入った。)
塔は七賢物語の景観を特色づける。 (Tasmina Foehr-Janssensが所見で述べたように。Le temps des fables pp.268-78 Le Roman des Sept Sages ou l'autre voie du roman フランス語版七賢物語他 )
Gaza(第5物語;財宝)同様に第13物語にもローマに塔があり Geneuerがサラセン人を脅かし退却させるためにその塔に登る。 そしてInclusa(第14物語)では夫が妻を塔に幽閉し愛人によって貫通される塔。
いくつかのバージョンでは バージルの柱も付け加えている。(D版を含めて Virgilius(第9物語) の柱はマジックミラーを支え他国の学者によってその土台を削り取られる。
1881: A piler that stode fol heyghe,(一本の柱が大変高く立っていた。) 1882: Higher well than ony tour, (どの塔よりも高い,) 権力のシンボルとしての塔やその他の建物はいわゆる「ローマもの」 中世の物語群全体にわたり共通している。都市の破壊は支配者/父の破滅 と対応しローマ七賢物語はこの点でそのような作品と確かに系列が同じ作品である。
The Seege or Batayle of Treye中英語詩 トロイエのシーゲ) の例では Priam(プリアモス) がいかにして都市の周囲に城壁を築き防備しまた 住むための塔を彼自身が建てたのかが語られる。 そのtext(原文)はギリシャ軍がTroy(トロイ)に侵入し塔に突入して内部集団を殺害 したところで終わる。 『アレクサンダー物語の多くのバージョンで 主人公が父Nectanabus(ネクタナブスを高い塔から 投げ落とす。DeepL機械日本語』 (Gower :ジョン・ガワー 例えば 'Confessio Amantis 恋する男の告解 VI.II.1789-2366)でこのバージョンを用いる。 そして Lydgate's Troy Book Ulysses (リドゲイドの中英語詩「トロイの本」では 一族の一人に殺されるであろう夢を見た後で要塞を設ける。

1229  And fand ware the thyf was gone. (And found where the scoundrel was gone, そして悪党がいなくなっていた場所を見つけた。) 他のバージョンは泥棒の入り口の造り方を詳述している。 古フランス語バージョンA※、中英語版A,Ar,E,B,においては 抜けられる塔の壁を発見するために(壁を突破するために) 彼らはつるはしを使う。 C,R版は地下に穴を造り穴から出た後で そこを石で塞ぐ。

1231  He sette a deppe caudron of bras. (He set a deep caldron of brass. 彼は深い真鍮の大釜を据え付けた。)
D版はフランス語版を最もよく保存している。 (une chaudiere à tainturier une chaudière a tain   鏡の裏箔、錫の合金?製の釜 ) 他の中英語版では 学者が溝を造りそれをlime(石灰)と樹脂で埋める。 (C,R版はtar:タールと樹脂)

1234   And held thare the cawdron dtode (And hid there the caldron stood  そして大釜を置いたところを覆い隠した。 ) D版は学者が落とし穴に覆いをするという相当語をもって 古フランス語バージョンA※をそっくりまねている。
A※はしかしながらもっと詳しく:
puis prist branchetes et petites vergetes,( puis pris branchettes et petites vergettes, それから小枝と小さな棒(むち)を取って、)
si mist desus la chaudiere et la couvri de terre par desus (si mis dessus la chaudrière et la couverture de terre par dessus    釜の上に置いたならその上に土の覆い(土でかぶせる) ) (17,025 ☆この部分の現代仏訳は不確か。)
中英語Yグループはこれを一切省略している。

1255   Bot hastiliche smyt of my hede, (But speedily strike off my head, すぐ私の頭を打ち落とす他には) この理由は古フランス語バージョンA※で考察されている。
car puis que je aurai teste coupee, (car puis que je aurai la tête coupée, なぜならばそのころには私の首は打ち落とされているだろうから)
ne serai je pas conneuz, ( ne serai je pas connu, 私は知られないはずで、)
ne mes lignages n'i aura ja reprouche (ne mes lignages ne aura jamais reproché 私の家系は決して非難されることになってしまわない。)
他の中英語Yグループはそれぞれこの古フランス語バージョンの一部分を反映している。 F版の"Gaza"財宝はこの個所から現存し f.141紛失のため 物語の書き出し詩行は落丁している。

1257  Byrye hit in Cristyne graue. (Bury it in Christian grave. この首をキリスト教の墓に埋めよ。)

C,R,そしてB版だけがこれに似ているものがある。
C版:1385-6
And hide it in som preue pit, (And hide it in some privy pit, 『それをある秘密の穴に隠してくれ、金子健二訳
So þat no man mai know it, (So that no man may know it. 『誰もこれを知らぬように。金子健二訳

B版の1289と1290行間: And loke thow bury in pryuyly (And lock thou bury in privately そして鍵をかけて汝内密に地中に埋めよ。)

古フランス語バージョンA※ではどういう読み方をしても 後に皇后は夫にこう尋ねる。 et la teste son pere, pour coi ne la mist il en. I. bel cimetire? (et la tête son père, pour rester coi ne la mit il en. I. bel cimetière  それから彼の父の首、声もなくじっとしているために彼はそれを入れる、 美しい墓、?) そしてこれは中英語Yグループによって鸚鵡返しに書き写される。

1266  And in a forme he let hit fale, (And in a pit he let it fall. そして穴に彼は首を落とした。 )
a forme(pit? ) この用法はMED(中英語辞書)に用語解をつけていない。 その定義は通例ウサギの「巣穴または隠れ家」なのでここでa forme はありそうもない語彙なのである。 Yグループではただ単に穴という意味かもしれない。 息子はa privy(gong)(屋外便所、水洗トイレ)に 首を投げすてて後にA,C,R版ではそれをa 'pit' のように書いた。 (F版は gong pytte) (privy pit )(I.1017) 同様に古フランス語バージョンA※においては:
il la jeta en une des fosses son pere(18.015) (彼は首を父親の穴(墓穴) のひとつに投げ込んだ。)