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2021 翻訳中です。L


原書 THE SEVEN SAGES OF ROME (MIDLAND VERSION)

ローマ七賢物語 (ミッドランドバージョン) オックスフォード大学出版 2005

INTRODUCTION 和訳

LALMEの規準を用いると研究者は、多くの作品項目に対し異常に多数の言語形式に直面します。 これらはある程度大まかな意訳グループに分類できるかもしれません。恐らくs.s. 「七賢物語」のこのミッドランドバージョン D の伝達に際して地理的な個々別々のエピソード を反映しているでしょう。 LALMEによって規定された正字法原則の参照に加えて少し役立つのは " Rolf Kaiser" カイザーの中英語の単語地理の研究でありそこからも原文の位置を推定できるかもしれません。 大抵原文は北部詩形とミッドランド詩形の混合ですが、国の幾つかの地域でコピーされていた証跡を留めています。 まず第一に同韻語の分析は、s.s.「七賢物語」の現存バージョンにおいて北部形式は確かに 直接の筆写者起源であることを明らかにしています。 中世英詩人は慣れない語形を彼らの方言に置き換えたので同韻語に時々誤りを生じてきました。 以下の例

第15物語 D版(3364-3365)
So God schild me fram
curs,  そう真に神は私を呪いから守ったのでした。
So God shielded(protected) me from a curse
Now thow myghtyst fare the wars! " 今父上は暮らし向きが一層悪いご様子でのおもてなし!
Now you might fare the worse!
北部のwarsは、書き手が代用した語で、 二行連句の末尾語cursと同韻語だったのはどうも wursだったらしいという推論です。


翻訳者参照: Middle-English Dictionary (中期英語辞書 12世紀〜15世紀に英作家達が用いた語彙)
見出し語 wars 無
war 形容詞 ware 詩 用心深い、wary 警戒厳重な
war 名詞 hunter's cry 猟犬の叫び
war 名詞 pus 医学、膿 humour 滑稽、気質
wurs 形容詞 bad 悪い wicked よこしまな  wurs : badの比較級   wurst : badの最上級
werre 古フランス語源の名詞 war 戦争

第9物語 D版(1900-1901)
The Kyng asked the clerk
bathe  王は学者両名に聞きました。
The King asked the scholars both
What he scholde gyf hem twae.  報酬はいかほど所望いたすかと。
What he should give them two.
(1924-1925)
And maden lytyl pyttys
twaye, 小さい穴を二つ作り、
And made two little pits,
And byrid the coffyns bathe, 棺(櫃)を二つとも埋めました、
And buried the chest or box both,

batheは、 twae, twaye とそれぞれ韻を踏ませています。推定上、写字生は大変珍しい同韻語 beie をより見聞きなれた北部形 batheに取り換えたのではないか。これが原文方言は南西ミッドランドであることを示唆するのです。 原文の最終的地理的由来を判断するための重要な診断ツールとなります。


中期英語辞書見出し語: beӡen ; beien , beie etc.形容詞 both 両方の、
ローマ七賢物語始まり D版(570-571)
Scho wippe and hir hondis
wronge,   彼女は泣き彼女の手をもみ絞りました。
She wept and her hands wrung,
And ofte syked sore amange.  そしてその間ずっと何度もひどく嘆息しました。
And often sighed bitterly all the time.
末尾語 a-mange(現代英語: all the time, again and again , repeatedly)は wrongeと韻を踏む a-monge だったに違いないものの置き換え。
Modern English : 現代英語の慣用句:wring one's hands[悲痛の余り]手をもみ絞る、或は wring her hands [握手で]彼女の手を固く握る、 は "The Seven Sages" の詩句に遡ります。
第2に、二行連句の脚韻が合う語やある種の内部形式を考察すると この詩のオリジナル方言がミッドランドの南西部に属しているという理論が持ち出されます。 第3に、特に何処か単一の方言地域に関係づけるのが難しい上辺は中世期の「遺物」形式を幾つか用いているだけでなく 原文がある段階で Lincolnshire(リンカシャー)とNorfolk(ノーフォーク)で コピーされたという証拠があります。 地図参照WP:

60ページ

写字生の方言

Dミッドランドバージョン写字生の方言はLALMEドットマップ対照によって北部方言と定義されます。

語彙例は、★twa(two),fra(from), 
★" both"の文字 ba-  MED例(中期英語辞書) baþe, boþe, beþe , etc.
★"such" の文字 -ik   MED例 swilke, selk, swiche, swuche, swulcne, swichne,etc. 
★"much" の語形 -il(e)   MED例 mikils, mochil, mekil, mekill, etc.
         -yle(e)    mykyle, etc.
写字生の”Which”の用法が頭文字で”w ”1子音字形であることから スコットランド方言は除外されています。(北部方言と定義された写字生がミッドランドバージョンをミッドランドで書いたのであり、 スコットランド方言の写字生が書いたのではない。−−方言の写字生がスコットランドで書いたバージョンはAs版らしい。) この w は北部方言の境界線を記し上述の書式は”Humber-Ribble” ハンバーリブル線を下限カットオフポイントとして定めます。 地図参照: Wikipedia Humber: ハンバー川

which MEO(中期英語辞書) 見出し語: hwilc, hwulc,
OE,古英語(アングロ・サクソン語), OHG(古期高地ドイツ語)、OLG(古期低地ドイツ語) O.Fris(古期フリーズランド語)、O.Norse(古期ノルド語)、Goth(ゴート語) の頭文字は”h” 語源の綴り字

フィット・テクニック "fit-technique" によってこの領域をこれ以上絞り込む事は都合よく証明していません。 一貫してよく文証された形式を欠いているからです。 しかし、原文の言語的プロフィールの幾つかの項目に関して二三所見を述べることはできます。

(文頭のナンバーはLALMEの質問書)
(4) SHE Schoはこの原文で100回以上使用されている断然最も多い言語形式で、特に "the West Riding of Yorksgire" ウエスト・ライディング・オフ・ヨークシャーで よく文証された形式(語句使用を確認された)です。 (WP:地図参照) 数種の少ない異形のうち Sho もウエスト・ライディングで顕著な文証された形式です。 schoe は、ウエスト・ライディングとDevon(デヴォン: 地図参照WP:  でのみ記録に残され そして so は、 "Lincolnshire" (リンカンシャーでコピーしたという言語学的問題))と East Lothian イースト・ロ-ジアン: 地図参照WP;) に存在する語形です。 (その他の形式:ho(10) he(7) sche(2))

(10)SUCH. 数少ない異形のうち swylke(2)はLancashire (ランカシャー: イングランド北西部地図参照 WP:) Lincolnshire(リンカンシャー: イングランド東部地図参照 WP:) そして Yorkshire(ヨークシャー:イングランド北東部の旧州) で発見されます。問題の対象地域です。古フランス語散文バージョンA写本を訳した The Seven Sages中期英語母体バージョンX は現存しない。しかしX写本を共通種本として派生した9種類の写本は現存している。 その一種D版にはD校訂者が複数人いた。 Jill博士の研究論法は、中世期にミッドランドのどこかでミッドランド方言で全詩行書かれているはずなのに 現存するD版は、北部方言が混在していることから類推し北部方言の筆写者がどこかでコピーして書いたのである。)  sylke(1) はリンカンシャーと East Riding(イースト・ライディング)のみに見られます。 他の形式:swylk(4), syche(4(2rh)), swilk(2), swilke(2)

(11)WHICH.  この項目について発見できた形式のうちで wilk(1) と wylk(1)は Westmorland (ウエストモ―ランド:イングランド北西部の旧州 地図参照 WP: とランカシャー、そして the North and West Ridings (ノース アンド ウエスト・ライディング)それぞれの地域です。

最も共通の形式である ilke(15)は、ウエストモ―ランド、Northumberland (ノーサンバーランド: イングランド最北部の州 地図参照 WP:) 以外の問題の全地域で記録されます。 少ない異形のうちで ilke(2) はリンカンシャーだけに見られます。 (他の形式:ilce(3), ilk(1), ilk-a(2), hilk-a(1))

61ページ

(13) MUCH. 二つの通俗的な形式 mykyl(15) と mykil(II) は、ウエストモ―ランドとCumberland(カンバーランド: イングランド北西部の旧州)どちらでも文証されませんでした。 mykyl も Durham(ダラム;イングランド北東部北海に臨む州)と ノース-ウエストヨークシャーでは文献上の用例が確認されず、また mykil は イースト-ライディングでは用例が確認されませんでした。 mikilは、Cambridgeshire(ケンブリッジシャー: イングランド東部の州 地図参照 WP:) Cheshire (チェシャ: イングランド西部の州地図参照 WP:) , ダラム、 Ely(イーリー:ケンブリッジシャーの地方都市) ランカシャー、リンカンシャー、ノーフォーク、Peterborough (ピーターバラ:イングランド中東部レスターの東方にある都市)、 ウエストライディングで記録され、mykyle は、ウエストライディングとShropshire(シュロップシャー: イングランド中西部のウェールズに接する州) だけで記録され、mykile は、リンカンシャーだけで発見されます。 (他の形式;myche(11(6rh))

(19) IS. 最も普通に圧倒的に多い異形である hys(90(18rh))は、 Dd.I.17の筆写者が好んだのか否かともかく受け入れられた形式であることを意味するほど とても頻出する単語ですが、この語のスぺリング hys(現代英語is)は、北イングランド( Humber; ハンバー川以北の地方)の主要な形式としては記録されていません。 しかし、リンカンシャー、ノーサンバ―ランド(疑問を呈した)そしてイースト・ウエストライディングの少数異形綴り字として 当該地域にリストアップされています。

(25) WOULD pl. Wolde4)は最も共通かつ広く行き渡っていますが、wolden(1)はリンカンシャーだけで文献上の用法が確認されています。

(34) AS NOR.(北部方言) 共通の形式は断然 as, しかし異形綴り字のうちで has(7)は、ダラム、リンカンシャーでほんの少しだけそして論点の地域であるウエストライディングで見られます。 (その他の形式:als(I), alse(I))

(71) AMONG adv NOR.(北部方言)  わずかな異形 a-mangeI rh)は、ある写字生が wronge と韻を踏む a-monge を書き手の方言 a-mange に変改コピーしたとD版(570-571の例文で前述したように、リンカンシャーのみでまた 問題となっている地域のウエストライディングで発見されます。

(96) CAST pt NOR.(北部方言)  様々な異形のうち kast(4)はリンカンシャーだけでそして問題となっている領域のウエストライディングで 文証されます。 (他の形式: kest(7), cast(3(Irh)), keste(2(Irh)), kaste(Irh), caste(I)

(100) DAUGHTER NOR.(北部方言)  Doughter(3) と dogter は、イーストライディングだけにある異形で、dougterI) はRutland(ラトランド:イングランド中東部の旧州 地図参照 WP:) にあります。そして doghter(I) は、チェシャ-、Cumberland (カンバーランド; 地図参照 WP: Derbyshire (ダービーシャー:イングランド中部の州 地図参照 WP:) ランカシャー、リンカンシャー、Northanptonshire(ノーサンプトンシャー:イングランド中部の内陸州 地図参照 WP: Nottinghamshire(ノッティガムシャー: イングランド中部の州 地図参照 WP:) ラトランド、 ヨークシャーに存在します。(occur) (他の形式:dogter(2), douter(I))

(188) NEITHER +NO NOR(北部方言).  三つの形式のうち nowthirno(2)と nowthyrno (I)は両方史料に書かれていません。 ところがnouthirnoI)は ダラムとリンカンシャーだけに見出せます。

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(210) SAY pt-sg NOR(北部方言)  最もありふれた大多数の形式は、sayed(102(2rh))がダービーシャー、 ランカシャー、リンカンシャー、とStaffordshire(スタッフォードシャー:イングランド中西部の州))で 記録されています。 少数異形のうちで sayede(3)はランカシャーのみで 文証されます。 (その他の形式:sayd(II), sayde(8) sayden(I))

(214) SEVEN ord NOR.(北部方言)   二つの形式が見出せます。 seuent(I) は広範囲にわたっていますが、(D版写本の語句とドットマップを対照seuenet (I)は チャシャー、ノーフォーク、ウエストライディングだけに記録されています。