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2022 翻訳中ですG


原書 THE SEVEN SAGES OF ROME (MIDLAND VERSION)
ローマ七賢物語 (ミッドランドバージョン) オックスフォード大学出版 2005

INTRODUCTION 和訳

C版 王子の第15物語                  『C版の和訳は、英吉利中世詩、ローマ七賢物語、金子健二氏訳から引用』
When þe fader herd þis tale, 『父がこの物語を聴きました時、』
when the father heard this tale,
In his hert he had grete bale. 『心の中に大なる悲しみを持ちました。』
In his heart he had great sorrow.
Al þa werdes ful wele he knew; 『彼れは是等の言葉の凡てを善く知っていました。』
All the words full well he knew;
He was so ferd him changed hew. 『彼は非常に恐怖の念にかられて顔色を変えました。』
He was so terrified that he changed complexion.
He wend his son þan sold him sla, 『彼はその時彼れの息子が彼を殺すのだと思いました・・・・』
He supposed his son then should kill him,
For þat he had hpm served swa. 『彼れが先に彼れに対してそのやうな事を為した報いとして。』
For that he had him served so.

次の行は前ページ本文の例文62-3に続きます。この部分が古フランス語バージョンと中期英語写本E,B,F版にはありません。
62. But þe king kissed þam both in fere,
『然るに王様は彼等両人を共に接吻しました、』
But the king kissed them both together,
63. And said "Bese meri,and mase gude chere;  『そして申しました、「ご心配あるな、元気をお出しになってください、』 And said "Don't worry, and make good cheer;

For ӡe sal be in joy and blis, 『と申す譯は、私はご両親をお悦ばせ申し、且つ幸福をお授け申さんと思っているからであります、』 For you shall be enjoy and bliss,
And nonekins myrthes sal ӡe mys.' 『亦ご両親に如何なる楽しみ事欠ゝぬやうに致したいと思っておりますから。」』 And nothing give mirth shall I miss.'
Þe king gaf sone into þaire handes 『国王は直に彼等の掌中に興へましたのは、』
The king gave soon into their hands
New tenementes and riche landes,  『家屋と豊穣な土地、』
New tenements and riche lands,
And gold and syluer grete plente; 『黄金と銀の非常に澤山でありました、』
And gold and silver great plenty;
His fader nd moder þus helpid he."  『かくの如くにして彼れの父母を助けました。』
His father and mother thus helped he.
 Þus þis tale was brought til ende; 『かくの如くにしてこの物語は終わりました、』
 Thus this tale was brought till end;

C版は、E,B,F版よりも長く中期英語詩を綴ってありますがC版には、E,B,F共通語彙hang, draw,はありません。
D版は、[....................] 脱落の次に前ページ例文60-1で続き And,And,And,And の連続対句でMEyグルー版よりも簡略に王子の物語を終わります。

[.....................]
60. And kyst hym and hys modir in fere,
 そして彼の父と母にキスをしあいました。
And kissed him and his mother together,
61. And made thaym swyth fayer chere,  彼らを大変親切に待遇しました。
And treated them very kindly,

And gaf thaym londe and tresour,  そして彼らに土地と宝物を与えたので
And gave them land and teasure,
And thay leuedyn in mykyl onour.'  彼らは肩身が広い生活を営みました。
And they lived in much honour,

INTRODUCTION 本文 49ページ

もしもD版とC版とR版の原文を比較して詩行間の2行連句一致あるいは一行一致が考えられるならば その場合もまたきっと新しい内容の一致を見るでしょう。 D,C両版の校訂者がぴったり同じ語句(例文60-3:kissed,kyst, in fere,in fere, chere,chere) で全く同じディテールを加筆したというのはとてもありそうもないことです。

ミッドランドバージョンD校訂本とyグループ校訂本の双方は、中期英語ペアレントバージョン x に 翻訳起源がある一冊の共通種本を持っていたという結論は写本系統図の筋を通すように思えます。 しかし、D,C,R版では分かち合った一つのエラーが目立ちます。 "Aper" 第3物語「猪」において、 古フランス語バージョン、MEA版とB版では 豚飼いが木の実を詰め込んだのは彼の衣服の"sleeves"袖、たもとです。

古フランス語バージョンA(12.007-8)
Il s'abessa, si en comenca a
cueillir tant qu'il en ot plain son giron.
En tant conme il emploit l'autre giron.

A版の中期英語訳はこのように:
(A ll,第3物語885-7)
Ful he gaderede his barm,
 彼は彼のふところいっぱいに果実を集めました、
Full he gathered his bosom,
ӡet ne þouӡt he of non harm. 彼はまだ差し支えないと思いました。
Yet ne thought he of no harm.
In his oþer lappe he gaderede some 彼の服の他のヘりまでいっぱいに彼はかなりの果実を集めました。
In his other border he gathere some fruit

それにもかかわらずD,C,R版では養豚者は彼のsleeves 袖 orたもとorふところの代わりに頭巾を満たします。

(D ll.第3物語 994-5)
Hym thought that the fruyt was doode,
 彼が考えたのはその果実はさぞ旨かろうということで、
Thought to himself that the fruit was good,
And gadders bretful hys hoode. 彼の頭巾の中に縁までいっぱいになるほど拾い集めました。
And gathered full to the brim his hood.
(C l.第3物語 981)
In his hode he geders þare;
 『彼はその果実を彼の頭巾の中に集めました、』
In his hood he gathered the fruit;
And in þar cumes þe wilde þare. 『その時其所へ野猪が来ました。金子健二氏訳
And then in there comes the wild boar.

古フランス語バージョンとほとんどのyグループ写本に、養豚者は彼の袖や縁まで一杯に詰め込むという行があるからには この原文は、中期英語ペアレントバージョンxの本文に同じであったと思われます。 従ってD版とC版、R版は、この単語(古フランス語 giron のME訳 barm, lappe, 現代英語訳 bosom, lap, border, sleeves,) を独自に"hood"に変えたのか、二つの間には何か関連性があるかのいずれかです。

〜50ページ

6. ミッドランドバージョン

 ミッドランドバージョン:D版は、8〜9種類の写本(前ページAB参照)それぞれのページを占めている 中期英語「七賢物語」原文(Yグループ)に共通ペアレントバージョンを通じて関係があるとは言えども いろいろな意味でA,R,C,Ar,F,E,B版は原文ごとに異なり、"The Seven Sages" ミッドランドバージョンD が他のすべての版と 全く違っている点については十分に考究されていませんでした。 その初版編集者 "Thomas Wright" トーマス・ライトは、著書の起源は "The Book of Sindbad" 「シンディバード物語」だという一般論考を述べておいた方がよいと問題の彼自身の原文概論には2、3ページも割いていません。 "Killis Campbell" キリ・キャンベル博士は、D版の物語と原文の相違をその他の中期英語バージョンと比べて詳細に列挙しようと かなり時間をかけましたが、彼はそのような改変理由や有効性に関する研究論文を提出しませんでした。 C写本の校訂者の代わりに、C本はその言語、形式、韻律の点において "the early English group":初期イギリス式グループ第一の書と同様に 古フランス語書の直訳書なる関係を有している最も完全な詩であると称して彼自身が編集した本を なおさら熱心に多くの学者に認めさせようとしたのは明らかでした。 D版の著しい特徴は、そのDの校訂者がなした独創的な加筆なのか、それとも x として知られている中期英語ペアレントバージョン に書いてあるものを模写してミッドランドバージョン原文としたのかを決定するのは時には困難になると気づくのは全くフェアです。 D版だけの特色のうちの何例かは中期英語ペアレントバージョンx にも翻訳されているはずなのですが Yグループ原文では省略されています。しかしそのような特色は古フランス語原典にも欠けているので より確実でない場合、(if not safer)D版の校訂者側の本人真筆の加筆があると仮定する方がことによると簡単(simpler)なのです。 どのみちたとえ見たところ本当の特徴のあるD版が x に由来していたとしても、xの要素を保存するのはD版まだ一人であり その点で大変オリジナルなのです。 原文要約物語などの他の特徴はむしろ明白にD版独特のものです。 さらに付け加えておきたいのは、当然のことながら我々が今から論じるように x と Dの間にある中間段階が形成されていたかもしれないということです。 従って我々がD の校訂者について言うとき、我々は一人以上の校閲者のことを述べるのは道理です。 次の議論の徹頭徹尾このすべての点を心に留めているべきです。

キャンベル博士は、自らが編集した校訂本に用語、文体、韻律の観点から1番を与えたのは正しかったです。 D版の唯一無二があるのは語彙や詩形の領域ではありません。 Dは、他の中期英語 "Seven Sages"「七賢物語」大多数のように、 正当な同一詩篇の用語解、定型表現以上の決まりきった言葉を使いこなしかつ韻律は不規則、しかもまた 筆写の不注意が原因でD版は幾つもの詩行を抜かしています。 逆に、D版は物語の内容の改変と性格描写の見地から 群を抜いています。プロット(小説、脚本などの筋、構想)とその論理的一貫性に対する 率直な興味を明らかにしながら。

 D版翻訳がしばしば Yグループよりも古フランス語原典に忠実に従っている以上は、 (例えば第8物語 "Tentamina":'The trial' において木を"a pear tree"「西洋ナシの木」のように具体的に記したり、第9物語 "Virgilius":’Virgil’ において鏡は柱に設置してある) 諸写本間系統図を作る時はたいていそれを有意義な方法で分岐するのです。

翻訳者加筆__________ 上記D版とYグループ原文例
第8物語

D版:(1701行)
So nobil pers as hyt bare;
そんな実りのよい優良の西洋ナシは一本しかなかったからです。
So choice pears as it yielded;
Karl Brunner編集版:(1750行)
A wel fair ympe is þar in.
一本のとても美しい若枝がその庭園の中にありました。
A well fair scion is there in.
C版:(1930行)
A fayr ymp groues þarin.(1930行)
 『そして庭園の中に一つの美しい 枝が成長しています。金子健二氏訳』
A fair scion grows therein.

第9物語
D版:(1881-1883行)
A piler that stode fol heyghe,
 大変高くそびえ立つ柱を
A pillar that stood very high,
Heyer wel than ony tour, 他のどんな塔よりもはるかに高い
Far higher than any tower,
And theroppon a myrrour  柱の上には鏡が装備してありました。
And thereon a mirror
Karl Brunner編集版:(1998-1999行)
Virgil made anoþer
ymage, バージルは他の像を造りました。
Virgil made another image,
Þat held a mirour in his hond, その像は手に一つの鏡を持っていました。
That held a mirror in his hand,
C版:(2208-2209行)
And þare he set anoþer
ymage; 『其の所へ復、他の像を備えつけました、』 
And there he set another image;
A merure had he in his hand; 『それは手に一つの鏡を持ってをるものでありました、金子健二氏訳』
A mirror had he in his hand,