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2023年 翻訳中です。notes4


原書 THE SEVEN SAGES OF ROME (MIDLAND VERSION)

ローマ七賢物語 (ミッドランドバージョン) オックスフォード大学出版 2005

原文の解釈ノート

304 For brynge (In order to bring) 不定詞(原形不定詞)の珍しい例
以下同様
603 The tree see fayre spradde (The tree see(知覚動詞)fair spread. 木はかなりの広がりを見る)
1308 That I bytook my sone teche  (That I assigned to teach my son 私は息子を教育する任務を託した。)
おそらく以前の状態の原文の残部であろう。

第5物語の訳注へreturn

337-9
Than byspake Maystir caton:(Then spoke out Master Caton:そしてマスターカトン師はこう言った。)
Felaus, I see in the mone (Companion, I see in the moon 友よ、私は月に見える。)
[..................on] ここに1行足りない。(写本に欠落はないが)Campbell 博士はしかし337-339行はTriplet: 3行連句で構成されている可能性を示唆している。
We have made vs alle todon! (We have made us all ruined!  私たちは私たちを破滅させた。)   todon 意味はundon :解いた、ほどいた、はずした、ゆるめた、、、零落した、当惑した、もとどおりの> ruin: 破滅させる、荒廃させる、没落させる、破産させる、<女を>堕落させる、誘惑して棄てるetc. これは中期英語辞書のみが引用している。

352 asee :(二人称、see)asen という珍しい動詞の唯一の出現例

357  I scholde couere agayn my [m]yght (I should regain my might  私は自分の力を取り戻すべきだ) 王子が影響を受けているのは言葉であり視覚ではないのだから 写本のsightは意味をなさない。そのため原語の韻を踏んでいる可能性が高い単語として より一般的なmightが補われている。

361: Forsoth, this his [a] wondir cas! (Truly, this is a marvellous incident! 本当にこれは怪奇な出来事です。)
361行にない不定冠詞[a]を他のすべての出現箇所と一致するように補った。日本語訳例はどれも不思議な事件が起きた。
202  That were a wondir kas
330  And there sawe a wondir kas
417  Forsoth, hit his a wondir cas!
669  Certis this his a wondir cas,
873  And sayden hit was a wondir cas,
1214  And bitidde(happened, befell, affected) a wondir kas,
2790  Bot hyt was a wondir cas-

362-7  『助言と戦略というテーマそしてそれがどのように七賢人とロマンスというジャンルを結びつけているのかはGeraldine Barnes によって探求されている。DeepL訳(Counsel and Strategy, especially.pp.16-20』

365  Forto saue oure al[l]er lyf; (To save our all life; 人生のすべてを救うために)  写本のalerは中期英語辞書にも古英語辞書にも変異形として載っていないので校訂。 alerの代替案はal[re]となる。allを表す屈折形がDの原文が書かれた南西ミッドランド方言に 古英語から現存している故に。 この形(alre)は屈折形に不慣れな北部写字生あるいはそれ以前の写字生によって alerに改変されている可能性がある。

366  For bettir be auisemend, (Unless there be consultation, 協議がない限り)
bettirは恐らく"but"と"there"の縮約形だろうが bet-というスペリングは珍しく変造かもしれない。 接尾辞 -tirは他の詩行でも次の例に現存している。
162: Of seuen artis nastir noon (Of seven arts there was not noon リベラルアーツのうちでないものはない)
164: Wastir noon to bygynne, (There was noon to undertake, 挑戦するものがない )
[中英語のnoon は誰も・・・いない、 どれも・・・ない nastir: there was not に noon という語がつく文と wastir: there was に noon という語がつく文]

372-3
And yf I spoke loude or stille, (And if I speak under any circumstance, もし私がどんな状況でも話すとしたら)
With the forme word I sal deye,(With the first word I shall die, 最初の一言で私は死ぬだろう、)
stilleと韻を踏んで 373のdeyeはオリジナル原文ではspilleと書いてあったにちがいない。(古英語:spillan,  中英語:spillen  他動詞kill;殺す、自動詞die;死ぬ) 明らかにDの写字生はこのspilleのdieを意味する自動詞用法に馴染みがなかった。 658-9行ではそのspilleが手付かずのまま次行と韻を踏んでいるにもかかわらず。
Anoon the childe was lade to spyle (Immediately the child was led to be killed, 直ちに子供は殺されるよう導かれた、)
To doo the Emperours will. (To do the Emperor's will. 皇帝の意のままに)

376-7
Fondys ilkon, yf ӡe may, (Strive every single one, if you may, 努力せよ一人一人、もしもよろしければ、)
Forto holde my lyf a day, (To preserve my life a day,   私の命を一日守るために)
同様にF版においても彼の師達は私の命を一日一話で救ってくれるだろうと明細に述べている。 Save me wyth a tale a day (Save me with a tale a day)

396-7
With hym toke he neuere oon. (With him took nobody. 誰も連れて行かなかった。)
Bot Maistir Bancillas aloon, (But Master Bancillas alone,  しかしバンシラス師だけが、)
『他のバージョンではすべての賢者は王子に同行しある距離まで行った後その場を離れる。DeePL翻訳ツール 』 A版とF版で賢人達はその時ボーイズ・セント・マルタンに修正する。 au bourc saint martin/to boys seynt Martyn/ その他のYグループテキストは、王子が教育を受けた場所として St.Martin's Wood (セント・マルタンの森)を参照してフランス語の誤解をうっかり露呈しているように思われる。
即ち{フランス語:bois 森 → 英語:boys ボーイズ} (その場所のアイデンティティーについて;Cmapbell Seven Sages P.155 note to I 482 参考

398-9
And anon are the no[m]e (And at once they are gone  それで直ちに彼ら(バンシラス師と王子)は行ってしまいました。
Ryght to the cite of Rome. (Right to the city of Rome. ローマ市へと。)
"they" の意味のtheは多分写字生のエラーだがこの語形は南西ミッドランドやイーストアングリアの両方を含む地域のLALME( 言語地図)に記録されているのでD写字生のオリジナルかあるいは何か中間の状態(some intermediate state)であったかもしれない。
似たような対句: 1918-1919
Oppon the morne the way the nome  (On the morning they took the way [or they made the journey] 翌朝彼らは旅に出ました。)
Ryght to the cite of Rome. (Directly to the city of Rome. まっすぐローマ市に参りました。
他のバージョンでは王子が宮殿に到着する前に出迎えられている。: (・皇帝と彼の護衛部隊→古フランス語バージョンA, 中英語A,E,B版、  ・皇帝の従者達→F版、 ・皇后と多くの騎士達→中英語C,R版、)

400  The childe into palayes kame, (The child into palce came, 子供はパレスの中に入り、
王子と父親の場面はフランス語版の原作にきわめて近い。 中英語F版では皇帝が息子に何を学んだのか尋ねるが彼が返答する前に皇后から伝言で呼びだされる。 C,E版では王子が父親と顔を合わせる前に皇后は子供を連れ去る。

404-7
Hys fadir askyd how he ferde, (His father asked how were you geting along, どうしていますか、
And the child nowt answerde, (And the child did not answer, 子供は答えませんでした。
Bot lowtid to his father anon, (But bowed to his father at once, しかし直ちに彼の父にお辞儀しました。)
And stod stille as a stoon. (And stood silently as a stone. そして石のように黙って立っていました。)

 'Yasmina Foehr-Janssens'(ヤスミナ・フェール・ヤンセンス教授:ジュネーブ大学の中世フランス語文学の教授) 七賢物語の精神分析の読み方をする。王子の沈黙は彼の近親相姦的欲望( Le temps des fables, especially 'Le silence'寓話の時、特に沈黙 pp.152-8 オイディプスのような人物と彼を同調して。 'Ce silence est négation (meurtre?) du père'P.58沈黙は父の否定(殺人)) ヤンセンス教授は王子を物語の焦点として見る。彼のroman de clergie(ロマン・ド・ジェ、牧師の小説)の主人公である。 皇帝の見方からするとしかし別の可能性もある。 ヤンセンス教授はフロイトのエッセイ"The Theme of the Three Caskets(「三つの棺のテーマ」) に参照させる。 (そのエッセーで彼は沈黙は死を意味すると論じる) the motif silence (理由沈黙、モチーフ沈黙、テーマ沈黙、)を議論しているのに。 もし我々がこの作品の大半でジレンマの中心にいるのは王子でなく皇帝であると認識すれば 王子の沈黙はフロイトがシェイクスピアの”King Lear"リア王におけるCordelia's silence (コーデリアの沈黙)を読んだのと同じ方法で読むことができる。 皇帝は息子を選ばなければならない。リア王が三人の娘の中からコーデリアを選ばなければ ならないように。 二人の老人は『愛を捨て死を選び死ぬ必然性と友達にならなければならない。Deepl翻訳 [Sigmund Freud,"The Theme of the Three caskkets" ジークムント・フロイト「三つの棺のテーマ」 心理学全集の標準版、 James Strachey ( ジェームス・ストレイチー総編集長のもとドイツ語から 翻訳、第XII巻 (London, 1958) (289-301 )]
王子の沈黙をこのように読むと後継者というテーマとそれが高齢世代(シルバージェネレーション、昔の世代) にもたらす不安とが結びつく。ローマの七賢物語のテーマそれは最後の物語'Vaticinium'(予言)で強調されているように作品全体の背後にある。

423-9
皇帝と皇后のやりとり(息子が父親にも継母にも一言もしゃべらないのはどうしたことかという台詞の受け答え)はD版特有のシーン。

446-447
Forsoth, I schal bee his leche (Truly, I shall be his physician 本当に、私は彼の主治医になりましょう。)
Yf euermore shal haue speche. (If evermore [he] shall have speech.  もし永遠に[彼]が対話するなら。) 主語として用いる代名詞heがない。主語代名詞の非表現の別例。 (Note:218行参照

448-9
The Emperour of alle the londe (The Emperor of all the land  全王領の皇帝は)
Tok hys sone by the honde, (Took his son by the hand, 息子の手を取り、)
古フランス語バージョンA※において皇帝は同様に息子を皇妃に引き渡すがフランス語テキストは子供が最初 彼女と一緒に行こうとしなかったと付け加えている。それから父が彼に命じたので彼は逆らえなかった。

452  I vowch hym wylle saue on the (I vouch-safe, or bestow or confer him well on you   私は貴女に彼を与えてよかろう):  OED(オックスフォード英語大辞典)のとおり、この意味ー "to confer or bestow (something) to a person' (人に何かを授ける、与える、) 動詞と形容詞(adjective)が分離可能な文は14世紀ロマンスに頻発しこの例はそれである。

463  Men wenes I be thy fadere fere. (Men believe I am your father's lover.  家来達は私が父上の愛人だと思っています。) D版は他の詩行のmenと組み合わせて単数形動詞を使う。 他の詩行例:
646  For alle the men that beres brethe  (For all men that bear breath=are alive 息をする=生きているすべての人のために)
2653  The haythyn men was ful strange. (The heathen men were very formidable in war or battle. 異教徒の男達は戦争に強かった。)
2710   The Crysten men hase non myght  (The Christian men have none power キリスト教徒達は何の力もない。)
3400  For alle the men that beres breth, (For all the men that are alive 生きている『全員、男衆一同、男共、 (DeepL 機械翻訳)』のために)

469  To do with what thy wille bee. (To do with what you wii be.『あなたの意志を貫くために。DeepL機械翻訳』) F版では、皇后は皇帝を殺し共にこの国の王と女王になるべきだと言う。 古フランス語バージョンA※ではまた皇帝を殺すことを約束させる。(Campbell, Seven Sages, 155 note to I 512)
参照F版369-401
But queyntly we schall hym slee (But skillfuly we shall him kill  しかし我らは巧みに彼を殺し)
And king of þys lond þou schalt bee. (And king of this land you shall be. 国王にあなたはなるべきです、)
Thou shalt be kyng and y þy quene, (You shall be king and i your queen,  貴方は王に私は貴方の王妃になるべきです。)

483-7: (和訳のみ:突然彼女は頭をベッドに投げ落としたのです。彼女の衣服を引き裂き下品な物腰でふるまい、 そして皇帝に聞こえるように叫びました。家来達が彼女の叫びに耳を傾けるように、... ) レイプ未遂のしるしを解読させる皇妃のたくらみは、カトン師の第10物語「鳥」、レンチュラス師の第6物語「井戸」、 マルシアス師の第14物語「幽閉妻」のような枠組みや挿入ストーリーの両方における 幾多の事の起こりの最初である。その時女性たちは物事の見え方を捏造したり操作したりする。  ”The Book of Sindbad" (シンディバード物語) (Gladius,Zuchara, Catula,Pallium, Elephantinus,) のような物語で筆者は女性達が不倫の告発から逃れる方法であるサイン(しるし、痕跡、前兆etc.)の択一的読み方(サインの読み替え)を組立てることにより一層気を取られている。

487 Scho made hyre vysages forto bled. (She made her face bleed. 彼女は彼女の顔を出血させました。) 複数形は珍しいがオックスフォード大学英語大辞典はもう一つの例をあげる。 'the face or surface of the earth'(地球の表面)の意味で用いる ★『Visage 太陽・月の見える表面 研究社新英和大辞典参照